文部科学省博士課程教育リーディングプログラム事業による支援期間の終了に伴い、平成29年度3月末に学内組織としては廃止された情報生命博士教育院のWEBページです。
アーカイブとして残してあります。
情報生命博士教育課程は、今後も学内で継続されます。
同課程に関する情報は、新HPに随時アップされますので、(こちら)をご確認ください。
  1. ホーム
  2. 国際夏の学校2014 / ACLS International Summer School 2014

国際夏の学校2014 / ACLS International Summer School 2014

情報生命博士教育院(ACLS)では、2014年8月13日(水)から8月19日(火)まで、第三回目の国際夏の学校を米国インディアナ州のパデュー大学で行いました。生命科学と情報科学分野の著名な先生方のご講演をはじめ、パデュー大学、ミシガン州立大学、ミズーリ大学、シンシナティ大学、ストラスブール大学(フランス)から の招へい学生(計12名)と情報生命博士教育院学生(38名)の合計50名が、ポスターセッションを行ったり、時間制約のある中で、終始英語でのコミュニケーションによるグループワークおよびプレゼンテーションを競い合いました。また、最終日には異文化交流研修として、海外の学生に日本の文化(折り紙、着物、書道など)を紹介してさらに交流を深めるなど盛りだくさんの内容の夏の学校となりました。

  

【招待講演 / Invited Lectures】

招待講演では、今年の夏の学校のテーマであるタンパク質の構造について、生命科学、情報科学の第一人者をお招きして、以下のような講演をしていただきました。この講演で得た背景知識、学生それぞれの感じた驚きが、グループワークディスカッションのベースとなります。

⦁Michael G. Rossmann (Department of Biological Sciences, Purdue University, Indiana, USA)
A personal history of structural biology.

⦁Jianlin Cheng (Department of Computer Science, University of Missouri, Columbia, USA)
Deep learning and its application to protein structure prediction.

⦁Michael Feig (Department of Chemistry and Biochemistry & Molecular Biology, Michigan State University, Michigan, USA)
Exploring the function of biological macromolecules via molecular dynamics simulations.

⦁Ruxandra Dima (Department of Chemistry, Cincinnati University, Ohio, USA)
Development of multi-scale simulations for investigations of the mechanics of protein assemblies.

⦁George Stan  (Department of Chemistry, Cincinnati University, Ohio, USA)
Development of computational models of protein unfolding and translocation mechanisms by bacterial proteases.

⦁Fumio Arisaka (Life Science Research Center, Nihon University, Japan)
Protein interactions involved in the assembly and infection of bacteriophage  tail - a  molecular machine.

 

   

【ポスター発表 / Poster Session】

自分の専門分野についてポスターを作成し、異分野の学生へ英語で説明しました。

グループワークの議論では、ポスター発表にあった研究内容を参照して発展させることになっていたため、自分の専門と異なる分野の研究もそのエッセンスをしっかり理解する必要があります。

参加者による「ポスター賞」の投票も行いました。

【ポスター賞受賞者 / Poster Award Winners】

Most attractive poster award
Yusuke Kaneta, Energetics of short hydrogen bonds in Photoactive Yellow Protein by ab initio metadynamics simulations. (A07)

Best research award in each category
⦁A: Protein Structure
   Luigi D'Ascenzo, Differences in ion-stacking properties of protein and nucleic acid aromatic groups. (A02)
⦁B: Information Science
   Yousuke Aizawa, Protein disorder prediction using deep networks. (B01)
⦁C: Biomaterial
   Yoshinori Mizuguchi, Design of novel extracellular matrix proteins using triple helix. (C07)
⦁D: Developmental Biology and Systems Biology
   Eri Shibata, The role of epidermis during regeneration. (D04)
⦁E: Molecular Biology
   Wei Ming Lim, Microtubules instability and dynamics mediated by CLIP-170 in T cells. (E02)

 

【グループワーク / Group Work】

「Novel Protein Design for Solving Global Issues」 というテーマの仮想のグラントに応募する、という設定で、グループワークを行ないました。海外学生と日本人学生、生命系と情報系の学生のまじった10グループが構成され、研究計画書を作成、プレゼンテーションしました。

学生たちは、招待講演で得た背景知識と最新の手法の理解、ポスター発表で見た様々な手法とその応用についての理解をもとにして、それらをさらに発展させて新しい研究を生みだそうと真剣に議論を重ねました。

プレゼンテーションの後には、招待講演者とACLS教員によるオープンレビューとして、各グループの提案についてフィードバックと議論が行なわれました。

【グループワーク賞受賞グループ / Group Work Award Winners】   

Gold award
Innovative design of collagen-repairing protein.
Group J:Tomoyuki Ohno, Yuni Todate, Tomohiro Ban, Rui Jiang  

Silver award 
HIV-1 gene silencing based on designable DNA binding domain fusion repressor.
Group H: Elodie Mailler, Athip Rooprayochslip , Kazuto Fukunaga, Takuya Tsubaki, Zicong Zhang

Bronze award
BATMAN: BAT-derived multi-recognition antibodies designed by neural network.
Group D: Yasufumi Obata, Yusuke Kaneta, Shohei Kitano, Iou Ven Chang, Yu-Hsuan Shih

Outstanding proposal award 
A novel approach to relieve environment problems: PET to energy.
Group C: Nobuaki Yasuo, Aleksandar Zdravkovic, Keisuke Yanagisawa, Masayuki Hayakawa, Xusi Han

   

  

【文化交流夕食会 / Dinner & Cultural Exchange】

パデュー大学での夏の学校最終日。緊張のポスター賞とグループワーク賞発表の後は、異文化交流をかねた夕食会がMackey Arenaで行われました。

夕食中に日本文化の体験コーナーを併設し、東工大ACLS学生が折り紙、書道、浴衣などを海外招へいの学生たちに紹介して盛り上がりました。

 

【参加者の声 / Feedback】

⦁今回の夏の学校で私にとって一番大きな成果だったのは、自分の分野の有用性の高さを再認識したことである。ニューラルネットワークは任意 の関数を近似する能力を有する。そのため、入出力に使用する情報も任意のものを使用することができる。しかし、私は画像や音声など昔ながらの情報 を対象とすることしか考えていなかった。今回の夏の学校で、対象をプロテインの構造などさまざまなことへも応用可能であるということを改めて認識することができた。

⦁国際夏の学校2014では,1. 生命科学と情報科学の両者を理解する力を持つこと、2. 自ら問題を発見し,大量の情報の中からその本質を見抜き,正しい決定をする力を持つこと、3. 優れた異文化コミュニケーション能力を磨くことの3種類の能力向上の機会となった.

⦁参加学生の生命科学の研究についても発表を視聴し、発表者と議論することで、英語によるコミュニケーション能力や、生命科学の知識を吸収した。

⦁ポスター発表においては,通常の発表機会では接することの少ない生命科学分野の専門家とのディスカッションを行うことができた.生命科学分野で求められる高い精度と計算工学分野での現状との乖離を痛感し,同時に伸びしろ・可能性を感じた.

⦁グループワークでは,ACLS学生のみならず,他大学の学生も交えて活発な議論を行うことができた.テーマは,”Novel Protein Design for solving Global Issues”で,我々のグループではオーファン受容体をターゲットとするタンパク質創薬の手法を提案した.他国の学生との考え方,取り組み方,意思疎通に苦戦したが,限られた時間の中で結論・結果を出すことの難しさを体験することができた.

⦁今回の出張で得られた成果は,情報生命博士教育院が目指している「グローバルに活躍するリーダー」に関する部分の成長が大きいと考えています.プロジェクト全体の一部分に於いて異なる国籍のメンバー含むチームのリーダーとなり話をまとめるという役割を経験することができました.「グローバルに活躍するリーダー」に関する部分の成長という意味で,今回の出張はとても有意義なものになりました.

⦁As a conclusion, the ACLS program has been an enriching experience in my career.

⦁We had a poster session, which in my opinion was one of the best parts of the summer school because that let me to understand how the congresses and conventions work; you have to be fully prepared for anything and for any question related to your field. Also, they gave me really good feedback which will help me in the future.

⦁This summer school has provided me with lots of academic info essential toward my research development and the whole event was very well planned.

    

 

 

 

 

 

 

関連Link

  
                       東京工業大学 生命理工学研究科          東京工業大学 情報理工学研究科          東京工業大学                

   
                       JSPS 博士課程教育 リーディングプログラム          東京工業大学 リーディング大学支援室